ご挨拶

第13回日本ボツリヌス治療学会学術大会を主催させていただきますこと、大変光栄に存じます。2026年9月12日(土)および13日(日)の2日間にわたり、一橋大学 学術総合センターでの開催する予定としております。副会長には近畿大学脳神経外科の内山卓也先生をお迎えし、力を合わせて準備を進めてまいります。

ボツリヌスのインパルスを第13回学術集会のテーマといたしました。

このテーマは2025大阪万博の時に空を彩りましたブルーインパルスの飛行に感動しそこからヒントを得て考案しました。ボツリヌス治療は緩和的な治療ではありますが、数多くの症状に対して極めて有効なインパルスを与えるものと感じております。その対象疾患も薬事承認初期の頃に比べますと、大きな広がりを見せており、今後もますます拡大していくものと考えています。

一方で、対象となっている多くの疾患では、必ずしもボツリヌス治療が医学的な側面、社会的な観点から十分に活用されていない場合もしばしば見受けられます。やはり、ボツリヌス治療の啓発は依然として重要な課題であると認識しております。対象疾患の多くでは、ボツリヌス治療が唯一の治療手段ではないものの、ボツリヌス実施医にのみならず治療に携わるすべての医療従事者がボツリヌス治療を十分に理解し、そして的確な治療計画を立案することが求められます。そのため、今後も積極的な啓発活動が不可欠と考えています。また、実施する医師でも、ボツリヌス治療は低侵襲な治療であるがゆえに、どうしても新たな情報収集に積極的になりにくい面があります。

本学会では広い領域の先生に、ボツリヌスのインパルスを知っていただき、ボツリヌス治療の初心者はもちろんエキスパートまでが、ボツリヌスのインパルスをブラッシュアップできる学会となるようにと考えております。

医師・医療関係者の皆さま、企業の皆さまのご協力とご参加を、心よりお願い申し上げます。

大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科 教授
貴島 晴彦